カラフル・バニー
カツンと響くあたし達の足音。先程の言葉も渚の優しさなんだなと思うと、嬉しくて涙が出そうだった。


「日暮れてきたな」


本当だ。外はもう真っ暗だ。


「嫌だな。肝試しスケールアップしそうで」

「しねーだろ」

「分かんないよ!うちの学校の委員長、物好きらしいし…」

「へぇ、じゃあすっかもな」


鼻で笑う渚がすごくわざとらしい。


「言っとくけど、幽霊なんかガキ黙らせる手段の1つだからな」

「嘘だ!だってあたしだって怖いもん」

「てめぇもガキだっつーことだろ?」

「絶対違う!」


苦しさ紛れにそう言ってみたものの、実際は当たってると思う。


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