カラフル・バニー
「渚、肝試しのルール聞いてた?」

「腐った寺に行って腐った紙だかを、取るってやつだろ?」

「…それお坊さんに言ったら殺されるよ」

「殺せるもんなら、殺してみろ」


自身満々な顔をする渚。呆れたあたしは声をかけた。


「い、行こうか。渚」

「言われなくても分かってんだよ」


第一ゾーンとなる墓場前。今にも火の玉が出てきそうだ。


「ひいっ」


冷たい風が頬を触る。


「渚、なんか…出そうじゃない?」

「俺は幽霊なんかより、てめーの方が怖ぇよ」

「うぎゃあ!」


思わず渚に激突する。ヌメヌメしたものが、あたしの顔に直撃したせいだ。


「いってぇな!」

「だって聞いてよ。ヌメが…あぎぃやぁ!」

「う…わ!!」


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