カラフル・バニー
気づけばあたしの顔は、渚の服に埋まっていた。柔らかい布の生地が、やけに落ち着く。


「ご、ごめん。またヌメがさ…って、え…?」

「んだよ…っ」

「…いや、なんでもない…」


薄暗がりでよく見えなかったが、月明かりの指す部分だけ、はっきりと見えた。

真っ赤に染まった渚の顔が…


「や、やっぱ、怖いね。肝試し。お寺まで、身が持つか心配だよ」


どうしよう…これはあたしに対しての照れなのかと思うと、嬉しくてたまらない。

声も固まり緊張さえ走る。


「別に怖くなんかねーよ」

「そりゃ、渚はね。ヌメにも会ってないし、男だしね」


さっきの様子が幻覚に思えるほど、渚の声は冷め切っていて、また振り出しに戻った。


「おい、ここから第2ゾーンだぞ」

「げ!早!!」
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