スリーズ・キーノート
俺と似た、誰かと……。
「何となく、雰囲気で解ったよ。君の事。ありがとう……。」
後はもう、シノリは口を開く事は無かった。言うだけ言って終わり。俺には何が何だか。
また玄関に戻り、俺と話したまま立ち尽くしていたレイを通り過ぎた。レイは泣き顔を捨て、何だか険しい顔をしている。
「じゃ、俺帰るから……。」
「ねえ、お姉ちゃんの事、どう思った?」
「は?」
レイは、俺に怒りのような、悔しさのような、嫉妬のような……そんな感情を顔に出しながら言葉を吐いて来た。
「ヨキさんの事もあったのにイチさんに頼って。しかもキューまで……そしてナジまで……最低……。」
……?何?こいつ、まさか。
「お姉ちゃんって……。」