スリーズ・キーノート
レイとイチさんが何でそうなったかなんて、知りたくもない。
だがイチさんがレイに安寧を求めた、というなら話は違ってくるだろう。
あの姉妹は似ているのだから。顔以外、全てが。
イチさんが自ら泥沼の深部に行こうとしているのが解る。
「イチさんがいいなら、いいんじゃないですか。」
「そう言うと思った。」
「……俺なんかに、話さなければよかったのに。」
あんたを、軽蔑せずにすんだ。
「今度、飯奢るぜ。」
「焼き肉がいいっすね。」
お前は誰が好きだったのかと聞かれたら。
勿論自分だと答える。