スリーズ・キーノート



……元彼女から未だ来る連絡を着信拒否にして、俺は桜がまだ舞っているキャンパスへ入った。
まだ友達は少ししか出来ていない。これからもっと楽しくなるだろう。気合いを入れて大学に通う毎日だ。
堕落だけはしないようにしないと。

そんな俺に出来た最初の友達はナジだった。ナジキハル。

赤外線でアドレスを交換した時、何でかナジは自分の名前を平仮名で登録していた。名簿などで見た事はあるが、面倒な漢字である事は知ってる。
ハルと呼ぶ以外なら何でもいいと言ったので、ナジ、たまにナジキと俺は呼んでる。

ナジと初めて会ったのは、実は大学構内じゃない。
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