スリーズ・キーノート
「私はそれを彼女に伝えて、お兄ちゃんがしたかった事をやる。子供を引き取って、彼女の人生をやり直してあげたい……。」

俺はもう、何も言えなくなっていた。キキの揺るがない意志が声から感じられたから。
だがこんな俺にも、出来る事ぐらいある。

「キキ。」
「なに?」
「結婚すっか。」

キキが「え」と固まったのが解る。一緒理解出来なかったようだ。

「冗談?」
「まさか。結婚して、よきじさんの子供育てよう。」

その言葉を言ってすぐ、キキは泣き崩れてしまった。慌てた俺は、謝ってみたが泣き止まない。

「ごめんね。自分勝手でごめんね。」
「何言ってんだ。自分勝手なのは俺も一緒だろ?」
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