スリーズ・キーノート


その日から、何度か父は手を母にもあげようとしたが、男となった僕に何度も報復を受けた。
ざまーみろ。
死ね。
死んでしまえ。
そんな事を思って、僕は父を殴る。やめろと言っても、絶対にやめない。
今までの痛みを返すように……。


……だが後々になって思った。
その時だけ、優越感に浸れた僕だったが、結局は父と同じだったという事を。
< 168 / 206 >

この作品をシェア

pagetop