スリーズ・キーノート
確かに、彼女の家には小さな子供がいた。彼女の妹かと信じて疑わなかった。
その子が、子供?しかもまだ一人いる?

世界が砕けて溶ける。

「……こんな私と、一緒になれる?」
「……。」
「なれないよ。」

そこで……僕が、彼女の事を何も知らない、知ろうとしていなかった事に気がついた。
自分の事で精一杯で、自分の世界を守ろうと必死で、彼女の世界を覗こうともしなかった……。
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