スリーズ・キーノート
しかし僕は結婚したいという思いが強かった反面、その彼女の隠し事に対する怒りが沸き上がる。
何故言ってくれなかったのか?……と。
「どうして言わなかったの。」
「だって言ったら、あなたは離れてゆくでしょう?」
「……。君と結婚出来ないより、言ってくれなかった方が、悲しい。」
「ありがとう。その言葉で十分。」
「……さよなら、って事?」
「そうするしかないと思う。」
「自分勝手だね。」
「ごめんね。」