スリーズ・キーノート
イチが補習の為に、キューと二人で帰る事になったあの日。
確か雨の日だった。
傘を横並べにして、私とキューはいつも通り帰路についていた。違うのはイチがいないだけだったけど、昔からたまにこういう時があったから気にしなかった。
それに、イチとは帰り道にあるT字路で別れるから、二人で帰る時間も多かったし。
いつも通りだと思ってたのに。
「シノリが好きだ。」
その言葉に、私の全ては揺れた。
心、私がイチが好きだという心も。
イチ、どうしよう。どうすればいいの。
そう思っても、イチはいない。
「つき合ってくれ。」
私は最低だ。
「……いいよ。」
私は最低だ!