スリーズ・キーノート
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私とキューが付き合い出した、というのはすぐに広まった。きっとイチの耳にも入っていただろう。
でもイチは、何も言わなかった。私も。私は狡賢く、ずっとイチが私に何か言ってくるまで待っていた。嫉妬とか?ばかみたいだ。自分から動かないと何も変わらないのに。私は最低だ。

私の最低さを表すように、イチはどんどん離れて行った。当たり前。キューとは近くなってゆくのに、遠かった。私はまだイチが好きだったから……。
だけど、高校まで悶々としていた私の全ては、キューによって暴かれてしまう事になった。
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