スリーズ・キーノート
その一回で、私は妊娠した。
親には泣かれ、友達には軽蔑されて。そうならなければおかしい。
でも私は生む決心をしていた。
せめて、贖罪をしたい。
最低、自分勝手なのは自分がよく知っている。でも、せめて宿った命だけは……。
キューは私の両親の前で泣きながら土下座をしていたが、
(……………。)
私は冷ややかな感情でそれを眺めていた。
ああ、私結婚するんだ。しなきゃ。本当に好きな人じゃないのに。何やってるんだろう。自分を可愛がるばかりで、こんな事になってしまった。
私、何やってるんだろう。
でも突然、キューは私から去った。理由は後から知る事になる。
よく解らない涙がこぼれた。