スリーズ・キーノート

「ああ、名前聞いてねえのか。暁丘幕真。お前の父ちゃんの名前さ。」

アキオカ、マクマ……そういう名前だったのか。そうだ、父さんからは名前も聞いていなかった。
「でも、父さんも母さんを……。」
「うん。シノリは、マクマに子供をいる事を隠して付き合ってた。お前が出来てから、それがバレてさ。マクマは理由も聞かずにシノリを突き放した。」
「結構、簡単ですね。」
「まあ、普通だな。結婚間近にそんな事解れば誰だって。」
でも父さんは今、母さんとの復縁したいと言っている。……母さんが子供2人もいる理由が、解ったって言うのか？でもそうだとしたらどうやって……。
「そろそろ帰るか。眠くなってきた。」
「あっ、ちょっと……。」
「何だ？」
最後に一つだけ。

「ヨキさんは、生きてますよね？」
「はあ？ったりめーだ。死んでたら俺も自殺してたね。帰るぞ。」


こういう話には、ありかなって思ったから。