スリーズ・キーノート
イチさんの家泊まり朝を迎えたその日……案の定、携帯電話に母さんからの着信があった。通話ボタンを押した途端、耳をつんざくような声。
迷惑かけてあなたは!みたいな事だった。別にいいじゃん、おばさんちなんだし、と言ったら、母さんは……そうね、と急に静かになってしまう。
昨日、学校をサボったのはバレていないようだし、今日はこのまま学校に行こう。
父さんに会うのはそれからだ。
父さんが、自分に友達はあまりいなかった、と言っていた。それはよく解る。僕だって、本当に仲がいい友達は二人ぐらいしかいないし。
間違いなく、僕はあの人の子供なんだろう。
……まだ父さんや、過去には疑問がある。でもそれは、これから深く知っていく事になるんだろう。それは間違いではないんだ。
今回の事は、ただのきっかけでしかない。