スリーズ・キーノート
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「ただいま。」
学校が終わり、一日ぶりの我が家に帰った。家出といってもショボすぎる。

「おかえり……待ってたよ。」

やっぱり、父さんはいた。
僕がいないうちに、母さんと話し合いでもしたんだろう。最初に会った、変な緊張感がない。

「……父さんの、思い通り?」
「何の事だい?」
過去の話をふって、僕の好奇心を煽るような事をして、イチさんとレイさんに聞きに行かせた。母さんと2人になるために。
2人が話す話は、子供が邪魔な話だ、別に怒りはしない。僕も過去を知る事も出来たから。

「母さんとは?話したの?」
「ああ。」
鞄をソファに投げて、洗面所に行って手を洗う。それから、冷蔵庫のミネラルウォーターを一口飲んだ。
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