Sign.
お菓子の箱を受け取ると、おばさんはあたしに目線を向けた。
「あら、娘さんかしら?可愛いわね、お名前は?」
「長谷川未来です。11歳です。」
「11歳?うちの息子と同い年じゃない。ちょっと待ってて、呼んでくるわね。」
息子?
「拓海ー!ちょっと降りてらっしゃいな。」
「はあーい。」
タンタンタン…
階段をおりる音がする。
"タクミ"君かあ。どんな子だろ。
仲良くなれるかな。
あたしはまだ何も知らなかった。
これがあたしの人生を大きく変える
運命の出会いになるなんて―――。