Sign.



「初対面の女の子に"おまえ"はないんじゃない?あたしには"みく"ってゆー名前があるの!」



公園のブランコに座り顔をひきつらせながら言うあたし。



何故いきなり公園にいるかというと、あのあとタクミのお母さんとうちのママはすっかり仲良しになっちゃって、あたしたちは「公園で遊んでらっしゃい。」と追い払われてしまったのだ。



…挨拶周りはいいのかい、と言いたくなったけど、めずらしくママが楽しそうだったから。



仕方なくこいつと公園に来たのだ。




「"おまえ"なんて誰だって言ってるだろ。」



タクミに反省の色は無し。



「あんたの"おまえ"は言われて嫌な感じかするもん。」



「おまえこそ"あんた"とか言ってんじゃん。それはいーわけ?」



…うっ…。確かに。



「い、今のは口が滑ったの!」



「どうだか。」




本っ当こいつ…。
ムカつく。



あんな優しそうなお母さんからどうしたらこんなひねくれ者が生まれるのか。




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