Sign.



「出たって何だよ!!!」



「な…何であんたがここにいんの!?」



そう。そこに居たのはやっぱりあの熱帯魚。



「母ちゃんが学校までの道まだ分からないかもしれないから一緒に行けって…ちゅーか…。」



「? 何。」



「"あんた"じゃなくて"拓海"!俺もちゃんと未来って呼ぶから。」



"未来"



「あ…名前…覚えてたんだ…。」



あれ?何か…あたし顔熱…



「物覚えは良い方だから。…お前どした?顔真っ赤だぞ。」



「はあっ!?そ…そんなわけないじゃん!てか何で普通に家ん中入って来てんの!?」



「鍵開いてるからいけねえんだろ。無用心だなー。」



「だからってえ!」



「うっせーよ。母親まだ寝てんだろ?起きるぞ。」



「あ…」



そっか。ママ寝てるんだった。

危うくこいつのせいで起こしちゃうとこだった。←



「早く支度しろよ。外にいるから。」



タクミはそう言うとあたしに背中を向けてリビングから出て行った。



ガチャン



玄関の閉まる音を境に、あたりは静寂に包まれる。



一人きりのリビングルームは



どこか物悲しい。







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