Sign.
「はーい、着席!」
教室に入るなりパンパンと手を叩き、大きな声を響かせるチエ先生。
それに反応して、ガタガタと席につく音が聞こえる。
……今更だけど
ちょっと緊張してきたかもしんない。
「今日はこれからみんなと一緒にここで勉強する友達を紹介します!さっ、入って。」
ガラガラ…
静かに教室のドアを開けると、みんなの視線がピリピリと肌に染みる。
うっ…見られてる…。
当たり前か…。
教卓のそばまで足早に移動し、教室を見渡した。
生徒数はざっと30人ってとこか。
ロッカーの上には書道などの掲示物がズラリと張られている。
なかなか清潔な教室じゃん。
過ごしやすそうで良かった。
「長谷川未来です。よろしく。」
一言で簡潔な挨拶をし、一礼をした。
みんながヒソヒソ色んなことを言っているけど、気にせず案内された席についた。
席についても、みんなの視線はまだ痛いくらいにあたしに集中していた。