Sign.



「ねえっ、友達になろうよ。」



前の席の女の子がやたら楽しそうに話し掛けてきた。



「あたし三宅瑠璃!るりぴょんって呼んで♪未来ちん!」



るりぴょん?

未来ちん?



…やだ…。



「分かった。瑠璃って呼ぶ。あたしは普通に未来で。」



「きゃあ♪やったあ!こんな可愛い子と友達になれるなんて瑠璃嬉しい♪慣れるまではべつに瑠璃でもいいや!よろしく未来ぴょん!」



…ぶりっ子か。

苦手なタイプかも。



「よろしく。」



てか未来ぴょんて。

ダサいっちゅーねん。



その後、朝の会の真っ最中にもかかわらず、瑠璃はベラベラ一人であたしに話し掛けてた。


んで何故かあたしまで怒られることに。


…最悪。




キーンコーン…




チャイムがなり、休み時間になると、津波のようにドッと人が押し寄せてきた。



「どこから来たの?」


「友達になろ♪」


「そのワンピかわいーね!」


「てか未来ちゃんがかわいーね!」


「俺と付き合おー♪」



ちょっ…
一人ずつ喋れ。



てか暑苦しい。



誰か助けて……。




「お前ら一人ずつ喋れよ。見てるこっちが暑苦しいっちゅーの。」



…あ この声



声のする方を見ると窓際の一番後ろにタクミの姿があった。




「何よタクミー!うちらが相手にしたげないから寂しいのかぁ?」


「んなわけあるか馬鹿。」


「うっざー!!」



…うわあ。
女子の反感買いまくりじゃん。



男子は何かこのやりとり見てニヤニヤしてるし!



もうなんなの~っ!!





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