Sign.



「もうタクミなんか知らない!」



怒りが収まらないあたしはミツルにべったりくっついて、タクミは完全無視。



「おい、そんな起こるなよ。」



「………」



「悪かったって。」



「………」



「だ~もうっ!!ちょっと待ってろ!」



タクミのいきなりの叫びにビクリと一瞬肩を震わせるあたし。


そんなあたしを尻目にタクミはどこかへ行ってしまった。



…意地張りすぎたかな。


でもあたしから謝るのはしゃくだし。



あたしはよっぽど不安げな顔をしてたんだと思う。



ミツルが心配そうに覗き込んでくる。




「未来、心配することないと思うよ。ほら、あいつアホだからすぐ忘れるって。いや、忘れちゃまずいのか。えーと…」



「ふふ、分かってる。大丈夫だよミツル。」




あたしが笑って言うと、ミツルは安心したのか顔をほころばせた。



ミツルって、男の子に失礼かもだけど本当に可愛い。


優しさが顔に滲み出てる。




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