Sign.
リビングを出ると、あたしは2階へ上がり自分の部屋へ入った。
窓から顔を出し、スーッと外の空気を吸い込む。
喉のあたりにひんやりと冷たい感覚が広がり、鼻のてっぺんがツーンと痛む。
「もう冬なんだ。」
ポツリと独り言を言うと、空を見上げた。
もう少し暗くなりつつある空に、一番星がキラキラと瞬いていた。
一番星は希望と孤独の星だと聞いたことがある。
そんなことをぼんやりと考えて、母のことを思う。
一番星ってまるでママみたい。
家に帰って来ない父にずっと希望を見出だそうとしていた。
離婚した今だってきっと復縁を期待してる。
過去の父との思い出がきっと彼女を生かし続けてる。
孤独な心をかかえて、ママはこれからどうなるのかな。