【短編】Happy Birthday

僕に向けるその柔らかな微笑みは、僕にとって極上の媚薬。

鈴の鳴るように笑う君の声が、僕の心の扉を開く鍵。

僕を抱きしめる為に伸ばすその腕は、僕の心を絡めとる甘い鎖。

君が微笑むたびに抱きしめずにはいられなくなる僕の気持ちを、君は知っているの?

何気ない仕草で僕の瞳を覗きこむ度に、唇を重ねたくなる気持ちを抑えるのは大変なんだよ。

無邪気に笑いながらケーキを切り分けようとナイフを持つ君。

可愛い仕草を見つめる僕は、ケーキより甘くて柔らかい唇に心を奪われる。

今、ここで抱きしめてキスをしたら、君はケーキを食べたいのに…って、拗ねてしまうんだろうなぁ。

いいよ。君の誕生日だもの。

今だけはキスよりケーキが優先だね。



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