【短編】Happy Birthday

今夜は僕の愛の全てを注いで、その柔肌に永遠に消えない刻印をつけよう。

深く僕を刻みつけられた君の心は、何も考えられなくなるくらい僕でいっぱいになる。

夢に誘(いざな)われる頃には、もう僕の愛が無くては一秒も生きていけないと悟っているだろう。


明日の朝、僕の腕の中でまどろむ君は、いつものように窓から射し込む太陽の光に左手を翳しながら、眩しさに目を細める。

そして君は見つけるだろう。

窓から射し込む朝の光を受け、左の薬指に輝く愛の証しを…。

思いがけない誕生プレゼントに、君はどんな顔をするだろう?

驚いて飛び起きるのだろうか?

信じられなくて呆然とするだろうか?

それとも…これは夢だと決め付けて、もう一度眠ってしまうだろうか?


あぁ、朝が楽しみだね…。


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