はにほへといろ
「じゃあ、今から入部審査を行います。審査と言っても俺の質問に答えていくだけだから、緊張せずにやって下さい」
「は、はい」
少し力が入って、わたしは始まると同時にシャキッと背筋を伸ばし直した。
審査の紙には、
・握力確認
・歯並び確認
・肺活量確認
・リズム感覚確認
と、書いてあって、1つずつ確認していったら部長が丸をする、というもので単純で、かつ自分の体力が知られる難しいものだった。
これに合格したら入部できるんだ・・・
自然と体に緊張が走る。
それでもわたしは自分なりに一生懸命こなしていった。
そしてパンッと先輩の手の叩く音が聞こえ、
「はい、終わり。うん、全体的にできてるし、合格」
最後のリズム感覚を調べることが終わると、先輩はわたしに入部届けを差し出した。
「ありがとうございました!」
「もう希望の楽器とか決まってる?」
・・・きた。
その瞬間ドキン、と胸がなった。
・・・希望・・・
「ク、クラリネットです」
口にするだけでグッと今までの緊張がさらに上がったような気がする。
「あ、じゃあもう決まってるならそこに学年、名前、希望楽器書いて今提出できる?早めに提出したら早く部活に参加できるし」
淡々と先輩は紙を押さえながら説明を終えた。
「はい」
わたしは項目順にカリカリとシャーペンを走らせる。