SAKURA
『静先輩!!』
職員室の手前で後姿を見付け、声を掛けるが、嫌そうな顔をして振り向いただけ。
初めての先輩の冷たい態度に尻込むものの、きちんと言わなければと、覚悟を決めた。
『昨日はすみませんでした!
私、ちゃんと勉強します。
先輩と一緒に、試合したいんです!
部活中に勉強のこと考えたり…
それじゃぁ、どっちも上手くいかないってわかったんです。
だから、次のテストまで!
もぉ少しだけ待っていて下さいッ!!』
廊下はザワザワとうるさいが、私たちの周りだけは別の空間が流れている。
頭を下げている私には先輩の足しか見えず、どんな表情をしているのかはわからない。
…許してくれない??
不安が押し寄せてくる。
「美波?」
突然発せられた先輩の言葉に、体が硬直するのがわかった。
*