SAKURA
『わかんない…』
休み時間になってもノートと睨めっこ。
もぉすぐ毎月恒例の実力テストだって言うのに、このままじゃ前みたいになっちゃう。
折角、教えてもらったのに……
考えないようにしているのに、時々ふと思い出してしまう。
その度に、ズキンと胸が痛くなる。
ダメダメ!!
も、考えるのは止め!
今はこの公式と対峙しなきゃいけないんだから。
「美波〜呼んでるよ?」
『え?』
「あそこ。
美波呼んでって。」
クラスの女の子が指さしたのは、教室のドア。
隙間から、チラリとワイシャツが見えた。
誰だろう??
もしかして、告白だったりして!
低調にお断りしなきゃ。
勝手な想像を膨らませ、小走りで廊下に出た。
*