SAKURA
「私はね、この先、美波としかやっていく気ないよ?」
それ…は…?
「確かに補習ばっかで、ちゃんとしろって思う。
でも、美波ならできると思うの。」
先輩…
「昨日怒ったのはね、違うこと考えてて、怪我しそうだったからなんだよ?
美波が怪我したら、誰が代わりできるの?
テニスできなくなっちゃうんだよ?」
私の…ために?
「でも、その様子じゃ反省したみたいね?
次は、ちゃんと点数とって、試合に向けてビシバシ練習するんだからッ!」
先輩の言葉は、私には意外で、その分、心の中に強く響いた。
『はい!』
何だかんだで、私は甘えちゃってたんだね…
こんなに先輩は私のこと考えてくれてるんだから、それを裏切らないようにしなくちゃ!!
先輩の気持ちがわかり、ホッとしていると、職員室から出てくる人影を見付けた。
あれは!
『先輩、ごめんなさい。
また、放課後に。』
話を切り上げ、階段を降りていく背中を追いかけた。
*