SAKURA



「美波ー!

やれば出来るじゃない!」


立ち尽くした私の目の前がいきなり真っ暗になった。

誰かにギュッと抱きつかれ、少し苦しい。



『静先輩!!』


何とかその姿を確認すると、私よりも大きな体を引き剥がそうと腕を突っ張った。


でも、"凄い"と何度も私の頭を撫でて喜んでくれる先輩を見ていると、苦しいのも心地よく感じられる。

"先輩のお陰だよ"と心の中でお礼を言った。



『先輩、今日からも、よろしくお願いします!』


試合、絶対に勝ちたいから。


「もちろん!

放課後、待ってるからね。」



補習を免れたことに安堵した後、もう1つだけ気になることがある。



いや、もう2つかな?



そのまま前に進み、目当ての名前を探した。



*
< 23 / 119 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop