SAKURA
「美波ー!
やれば出来るじゃない!」
立ち尽くした私の目の前がいきなり真っ暗になった。
誰かにギュッと抱きつかれ、少し苦しい。
『静先輩!!』
何とかその姿を確認すると、私よりも大きな体を引き剥がそうと腕を突っ張った。
でも、"凄い"と何度も私の頭を撫でて喜んでくれる先輩を見ていると、苦しいのも心地よく感じられる。
"先輩のお陰だよ"と心の中でお礼を言った。
『先輩、今日からも、よろしくお願いします!』
試合、絶対に勝ちたいから。
「もちろん!
放課後、待ってるからね。」
補習を免れたことに安堵した後、もう1つだけ気になることがある。
いや、もう2つかな?
そのまま前に進み、目当ての名前を探した。
*