SAKURA
『先輩!』
「美波!」
「『やったぁー!』」
6−2。
まだ初戦だけど、高校になって初めての公式試合。
そして、和也クンが応援に来てくれた。
だから、勝てた喜びはやっぱり今までとは違う。
この調子で、どんどん勝ち進むぞぉ!
和也クンに向けて大きくラケットを振ると、小さくピースサインを返してくれた。
出会った当初は、こんな風に感情を出してくれる人だなんて思わなかったなぁ。
あの頃を思い出し、1人でニヤニヤしていると、背中から誰かが抱きついてきた。
「か・れ・し?」
『違いますッ!!』
私以上にニヤニヤな静先輩は、多分勘違いしたままスキップでコートから出て行った。
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