SAKURA
「知らなかったじゃん。」
「紹介してよ!」
「いつからなのぉ?」
「ぃぃなぁ〜」
「ってか、かっこよくない?!」
ギラギラと光らせた目が、いくつも私に向けられる。
その指が差すのは、コートの端のその人。
だーかーらー!
『和也クンはそんな関係じゃないんだってば!!』
私の叫びも虚しく、誰も話を聞いてくれない。
「「「「「ぃぃから〜」」」」」
と、背中を押される。
『違うって言ってるのに…』
文句を言いつつも、足は和也クンへと進む。
"せっかく来てくれたんだし、お礼くらい言わなくちゃね"
そぉ自分に言い聞かせて。
*