SAKURA




ようやく落ち着いてきた時には、2人とも目に涙をためていた。



「こんなに笑ったの初めてかも!」


お腹を押さえ、笑いを堪えて言う和也クン。



その顔を見て、何だか幸せな気持ちになる。




笑ってる方が素敵なのに。




気付かないうちに緊張なんか行方不明で、この数分で和也クンにずっと近付けた気がする。



見つめる私の視線に気付いたのか、気まずそうに苦笑いすると、背を向けて歩き始めた。


「映画、遅れる。」

『うんっ!』



今度は、さっきみたいにならないように…


和也クンの隣を歩きながらニヤニヤと顔をのぞき込むと、少し赤くなって照れた顔が。




今日は思いっ切り楽しめそう!




*
< 52 / 119 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop