SAKURA
ようやく落ち着いてきた時には、2人とも目に涙をためていた。
「こんなに笑ったの初めてかも!」
お腹を押さえ、笑いを堪えて言う和也クン。
その顔を見て、何だか幸せな気持ちになる。
笑ってる方が素敵なのに。
気付かないうちに緊張なんか行方不明で、この数分で和也クンにずっと近付けた気がする。
見つめる私の視線に気付いたのか、気まずそうに苦笑いすると、背を向けて歩き始めた。
「映画、遅れる。」
『うんっ!』
今度は、さっきみたいにならないように…
和也クンの隣を歩きながらニヤニヤと顔をのぞき込むと、少し赤くなって照れた顔が。
今日は思いっ切り楽しめそう!
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