SAKURA
明日は晴れるはずだから、私は部活がある。
和也クンは気を使ってくれて、そのまま帰ることにした。
バス停が近付くにつれて、段々気持ちが沈んでくる。
あれだけ楽しかったはずなのに、何かが足りない。
そんな私に気付いたのか気付いていないのか、和也クンが思ってもないことを言ってくれた。
「家まで送る。」
普段の私なら申し訳ないって遠慮するけど、今日は…
『うん。』
私、どぉしちゃったんだろ?
"少しでも一緒にいたい"
浮かび上がった想いを誤魔化すことが出来なかった。
それでも、このモヤモヤとした気持ちが何なのか、答えを出せずにいる。
きっと和也クンにとって、私はバカでよく怪我する女の子。
ほっとけないって感じだろう。
じゃぁ私にとっての和也クンは?
頭良くて、一緒にいるとほっとする。お兄ちゃん?
いや、どぉもしっくりこない。
もっとドキドキで、ワクワクする感じ。
この手の話、前に誰かが話してた。
"ドキドキしたりワクワクしたり、片思いが一番楽しいよね"
「どぉかした?」
『えッ?
何でもない!』
いつの間にか目の前にきれいな顔が現れて、慌てて反対を向いて窓の外を見ているふりをした。
気付いてしまったら、まともに顔を見ることも出来ない。
私…
私、和也クンのこと好きなんだ。
*