SAKURA
『あ、やっ…えっと…』
大したことではない。
けれど、気になる名前。
誰にも話したことなかったんだけど…
『ほら、いつもテスト1番で!
凄いなって。
それに、漢字、宇宙の宙に良いって、何て読むのかなって思って…』
表情を変えぬまま、私をジロジロと見てくる。
足を止め、向かい合う状態で立っていたが、急に前を向いて歩き始めた。
止まったり歩いたり、急になに?!
「そら。」
そ…ら…?
空?
上を見上げるけど、雲のせいで星さえも見えない。
空に何があるの?
私が上を見ているのに気付いたらしく、その意味を教えてくれた。
「粂田宙良(クメタ ソラ)。」
『えーー?!
"そら"って読むんだ!』
宙良クン…どんな人なんだろう…
*