SAKURA
「――んで?
あたし…」
?
人の声がする?
調度、裏庭の木々の間の小道を歩いていた時、どこからか声が聞こえてきた。
女の人のような高い声で、少し怒っているような?
木の隙間から人影を探してみると、辛うじて2人の人がいるのがわかった。
制服から男女の2人のようだけど、遠いし木が邪魔で顔まではわからない。
こぉ言う時…
やたらと好奇心が勝ってしまうのが、私の性。
クッキーはひとまず置いといて、音をたてないように2人に近付いた。
今は小さな声で話しているらしく、先程のように声は聞き取れない。
けれど、何かに揉めているようなのはわかった。
女の子が両手を握りしめて攻め立ている。
見たことのない、綺麗な女の人。
男の子はこちらに背を向けているからわからないけど、頭を掻いて面倒臭そうにしている。
告白?
別れ話?
気になるけれど、ここまでだ。
これ以上向こうは少し木々が開けているから、見付かる可能性が高い。
それに、知らない人のようだし。
何にしろ、あんなに綺麗な人をふろうとしてるんだから、ひどい人なのかもしれない。
保健室に行こう。
クッキーの入った袋を胸に抱え直し、そっと立ち去ろうとした。
*