SAKURA
「俺に?」
ワンテンポ遅れて理解したようで、和也クンは袋の中を覗いたまましばらく固まっていた。
『あっ、いらなかったら、捨ててもぃぃしね?』
「何で捨てんの?
開けてぃぃ?」
私が頷いてもいないのに、ガサゴソと封を破き始めている。
こんな時でも無表情な和也クンに、いつものことだとわかっているはずが苦しくなる。
クッキーなんて嫌いだったかな…?
『美味しくなかったら、ごめん…ね?』
どんどんと思考がマイナスに向かい、可愛くないことばかり言ってしまう。
本当に伝えたいこと、まだ言えてないのに…
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