SAKURA

「そいつのこと、好きなわけ?」

『そっ、そんなんじゃ!』

「あいつは辞めとけ。」





こんなに話してくるのは初めてだから、妙に気になる。


『宙良クンのこと、よく知ってるの?』

「別に。」


それ以上は何も言ってくれなかった。

"この話はもぉ終わり"と、言われたような感じだった。




『わざわざありがとう。

またね!』


直ぐ近くに住んでいるらしくて、バス停前でお別れ。


宙良クンの話以来、会話という会話はなかった。

私が一方的に話していて、それに軽く頷くだけ。


宙良クンのことも、彼自身のことも、わかったことはほとんどない。


そぉ言えば、名前も知らないまま…

宙良クンの話ばっかして、機嫌悪くしたよね…

また会ったら、勉強のこともお礼言わなきゃなぁ。

*

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