SAKURA
「失礼な…
私だって、人間なんだから。
去年とか、精神面がボロボロで、先輩に怒られまくったよ。」
『静先輩が?』
信じられないという顔で、先輩を見返した。
「ずっとウジウジしてて、言いたいこと言えなくて、悩んでて、そんな自分が嫌いだった。
それが、面白いくらいプレーに出るんだよね?
先輩にバシーンって平手打ちされて、"甘ったれるなぁー!"って。」
『平手打ち…』
「そ。
"ウジウジ悩んでたら決まる球も決まんないでしょ?
ボールにはあんたの性格が出るんだから。
普段の生活でも、自分を信じて、自信もっていきなさい!"
って。」
私の性格が、ボールに出てるの?
それなら、今私が打つ球は……
「要は、テニスが大好きなのよね。
私も先輩も。
もちろん、美波もでしょ?」
その問い掛けに、コクリと頷いた。
「好きなものには、真正面からぶつかっていかなくちゃ。
ね?」
『静先輩は、何に悩んでたんですか?
もぉ解決したんですか?』
それってもしかして…
*