SAKURA

特別




次の日、1時間目は数学だった。


高校生になってからちっとも授業について行けなかったけど、今日は違っう。

昨日教えてもらったお陰で、内容が理解できるのだ。



凄い!!


こんなわかるなんて、私天才かも?!



調子に乗ってみたけれど、やっぱり私の脳みそは変わらないまま。

授業の終わり頃にはわからない点がいくつか出てきてしまう。



また、教えてくれないかな…?




あの子のお陰で、"私もやればできる"ってことがわかった。

多分、やり方が悪いだけ。


勉強も、部活も、中途半端なやる気だったから、先輩も愛想が尽いちゃったんだよね?


先輩に、ちゃんと話したい。




昼休みを利用し、先輩の教室へ向かった。

と言っても、1つ階段を上るだけなんだけど。



『あの、静先輩は…?』


教室に姿はなく、近くにいた人に聞いてみると、職員室に行ったらしい。


職員室は保健室の真上。


少しだけ期待する気持ちを抑えながら、廊下を走りぬけた。



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