SAKURA
その後、どぉやって帰ったのかはわからない。
でも、気付いたら自分のベットに伏せて眠っていた。
メールや電話が何件か来たようで、携帯が数分置きにメロディーを奏でているが、確認することもなく、電源を切ってしまった。
今は、誰とも話したくない。
「美波〜いるの?
ご飯はぁ?」
お姉ちゃんがドアを叩いている。
『いらない。
お腹痛いからもぉ寝るね。』
「そ……。
何かあったら、言いなね?」
食いしん坊の私がご飯を食べないなんて、今までにないこと。
お腹が痛くても、風邪の時も、どんなに怠くても、ご飯だけは欠かさなかった。
朝だって、遅刻してでも毎日食べているし。
それだけ、お母さんのご飯は美味しい。
私も、教えてもらって人並みには作れるようになったけど、お母さんと比べたら全然。
それを知っているからこそ、お姉ちゃんも心配してくれてるんだろう。
普段はパシられたり、いじられたり。
だけど、困った時や落ち込んでる時は、凄く優しくしてくれるから。
でも、今は…
もぉ少し元気になるまで、ゴメンね。
*