SAKURA



「何かヤなことでもあったの?」


『お姉ちゃん…』


「昨日から元気ないから。


ほら、お粥。

食べられる?」



お盆の上に載せられた、お母さん特製のお粥。

何度も食べたことがあるから、どれだけ美味しくて、これを食べればすぐに元気になることは、匂いだけでもわかる。



だけど、手が進まない。


きっと、このモヤモヤのせい…





『お姉ちゃんは、信じてた人に嘘つかれたことある?』



お姉ちゃんはカーテンを開くと、窓を開けて枠に手をかけた。

外は青空で、少し涼しくなってきた風が気持ちぃぃ。



「もちろん。」


『その時、お姉ちゃんはどぉした?

怒った?

悲しくなった?』




私は今、悲しくて、苦しいんだ。



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