SAKURA



「腹立って、大喧嘩して、そのまま仲違いしちゃった友達がいるよ。

何で嘘なんか付かれたんだろうって、凄い辛かった。」


"でもね"と、お姉ちゃんは続ける。


「1番辛かったのはその後だよ。」



『え?』



お姉ちゃんは、私の方に振り返り、窓枠に寄りかかりながら言った。


「それまでは親友だったのに、1つの嘘で一言も話さなくなっちゃったんだよ?

くだらないことで笑ってた時間は何だったんだろう?


もちろん嘘は許せないけど、絶交じゃなくて、他に方法はなかったのかなって。


学校ですれ違う度に、後悔してね。

今でも、その子のこと思い出すと苦しいもん。」




他に方法なんて存在するの?



嘘を付いたことに変わりはないんだよ?





私は、そんな風に思えなさそうだよ…



*
< 97 / 119 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop