SAKURA



「ま、その内容にもよるわよね。」


『嘘の内容ってこと?』


「そっ。


自分のために付いた自己中な嘘もあれば、相手のためを思って付いた嘘もあるってこと。

理由があるなら、聞いてみないとわかんないしね?」



『う……ん…』



「とにかく、お粥冷めちゃうから食べなさい。

じゃなきゃ元気にならないよ?」




お姉ちゃんが言うことはもっともなのかもしれないけど、スッキリしない。


新たな問いを提示された気分。



お粥を口に運んでみたけれど、何の味もしない。




結局、私の中で嘘は嘘なのだ。


例えどんな理由があろうと、嘘を付いた事実は変わらない。


許すか許さないかで言ったら、許すわけがない。



お姉ちゃんと違って、私は子供なのかな?



*
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