今、気づいたの☆天使のささやき☆
 私たちは、ない頭を
絞り合って、考えた。

「私たちみんなで、ミ
ントの家に電話して、
講習が伸びたって言え
ば?」

「でも、夜に暗い海で
水泳の講習なんてする
?」

「そうか・・・」

「・・・」

「あ、嘘じゃないこと
がある。今日、ソバ子
が溺れたでしょ。それ
で、まだ具合が悪くて、
みんなでしばらく介護
しなくちゃいけないっ
てことにするのは?」

「そうかー、それ使え
るかも。ホントのこと
だもんね」

「そういう人命救助の
ことならミントの親も
文句言えないんじゃな
い?」

「うん」

「でも、4人もいる必
要あるのかな・・」

「それはさ、私たちが
同じチームで、共同責
任ってことで、特にミ
ントは班長だったって
ことにしたらいいじゃ
ん」

「どうしたのよー、今
日のバリは冴えてるじ
ゃん」

「まあね」

「悪知恵は働くんだよね」

「ひどーい、ソバ子—、
一生懸命考えたのに」

「じゃあ、それで行こ
う」

 私はみんなが見守る
中、携帯を手にした。
 みんな固唾を飲んで
私の一挙手一投足を見
つめている。
 手が震えた。

 そして、母親の携帯
番号を押した。
 
 ドキドキした。
今までの人生で一番く
らいドキドキして、携
帯を握る手に力が入り、
汗でヌメヌメになって
滑った。

 もしかしたら、生ま
れてはじめての親への
嘘?芝居?うらぎり?

 でも、回りで見守る
友人達のおかげで勇気
が出た。
 励まされ、応援され
た。
 友人達が加勢してく
れている、私の仲間が
ここにいると思うだけ
で、なんでもできるよ
うな気持ちになれた。

 もう、いままでの私
とは違う。
 今日から私は新しい
ミントとして生まれ変
わるんだ!!
 自分に言いきかせ、
電話の呼び出し音が途
切れるのを、吐きそう
になるくらい緊張して
待った。

 電話がつながって、
母の声が聞こえた。
 心臓が止まったん
じゃないかと思うほ
どの衝撃を感じた。

 まわりで見守るみ
んなの顔を見て踏ん
張った。

 なんとか声を絞り
出した。

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