今、気づいたの☆天使のささやき☆
車はミントの家の前に停まった。

私は硬直した体をなんとか
動かして車を降り、
チャイムを鳴らす。

「ミントです」

 門が開く。

玄関までの数メートルを
重い足をゆっくりと
一歩一歩確かめるように
運ぶ。
その後に旬が続く。

玄関が開いた。

「ただいま」

母が立っている。

「遅かったわね」

やはり怒っている。

「うん」

「お友達は大丈夫なの?」

「うん」

「無事に快復したのね?」

「うん」

「全く、何かあったら
どうするの?」

「すみませんでした。
こんな遅くなってしまいまして。
責任は全部私にあります。
申し遅れましたが、
本日の講習の講師の
雪の下と申します」

 後ろにいた旬がすばやく
母の前に出て話し始めた。
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