少女人形(短編集)
もうやり方を忘れてしまったかのように呼吸をしない彼は、
ぱっくり裂けた腹部から真っ赤な液体を流して地面に転がっている。
あらゆるところの肉は露出し、
身体中は切り裂かれたような傷だらけ。
彼のとても綺麗だった水晶色の髪は
自らの血で緋色に染まり、
指は数本、消失しているようだ…。
今までに無い、
愛しい人のあまりにも惨たらしい光景を目にしているというのに
何故かはわからないけれど
私は身体が硬直したように『それ』から目がそらせなかった。
私の大好きだった穏やかな金無垢の瞳は光を失い、
絹のようにサラサラだった
美しい水晶色の髪は
血染まりで硬まってしまっている。
震える手を必死に操作して
彼の身体に触れてみた。
彼の身体から温もりは一切感じられない…
無機質な冷たさが痛いほどに感じられるだけだった。
「あ゛ぁ……ぃ、いやあああああああああああああああああっっっ!!!」
いつのまにか私の全身は悲鳴をあげ、
凄まじいまでの金切り声が声帯を擦り切る寸前まで震わせ
目の前の現実を拒むように
ぶんぶんと激しく頭を振り続けていた。
ぱっくり裂けた腹部から真っ赤な液体を流して地面に転がっている。
あらゆるところの肉は露出し、
身体中は切り裂かれたような傷だらけ。
彼のとても綺麗だった水晶色の髪は
自らの血で緋色に染まり、
指は数本、消失しているようだ…。
今までに無い、
愛しい人のあまりにも惨たらしい光景を目にしているというのに
何故かはわからないけれど
私は身体が硬直したように『それ』から目がそらせなかった。
私の大好きだった穏やかな金無垢の瞳は光を失い、
絹のようにサラサラだった
美しい水晶色の髪は
血染まりで硬まってしまっている。
震える手を必死に操作して
彼の身体に触れてみた。
彼の身体から温もりは一切感じられない…
無機質な冷たさが痛いほどに感じられるだけだった。
「あ゛ぁ……ぃ、いやあああああああああああああああああっっっ!!!」
いつのまにか私の全身は悲鳴をあげ、
凄まじいまでの金切り声が声帯を擦り切る寸前まで震わせ
目の前の現実を拒むように
ぶんぶんと激しく頭を振り続けていた。