中絶~僕は君を殺したい~
2-6 パチンコ屋





「どうだった??」




缶コーヒーをなげてくるゆうや。





「負けはしてないよ」





「そうじゃなくて」






「ああ、わかっているよ。冗談だよ。」






「なぐられでもしたか?」





缶コーヒーを持った手でジャブをしてみせるゆうや。人なつっこい笑みをうかべる。






「なぐられた方がよかった。それこそ、意識がとぶくらいにね。」





「そりゃ一番のにげかたかもしれないな」




ゆうやは笑ってみせたが、ぼくは目をそらし、缶コーヒーのプルトップを見つめた。




「げんじつてきな話をされたよ。」





「金か?」





「まぁほとんどが」





「収入はいくらか?家族をやしなうだけのしょうらいせいもあるか?安定しているのか?資格は持っているのか?貯金はいくらか?」




「しつもんはされなかったよ。」




そうしつもんはされなかった。



ただ、げんじつてきな話をされただけだった。
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