中絶~僕は君を殺したい~
3‐4 不安



「ううん…むずかしい話だけどね。原因がわかっていたらそれをなくすしかないだろうね。」



藤田さんは長い時間をかけてさんこうにならない答えを出した。



ぼくもそれはわかっている。



…つもりだ。



「ばくぜんとしたふあんを小さくわけて一つずつかいけつするしかないよね。ステーキを食べるのにがっつく人はいないからね。フォークで切るよね?小さく一口サイズにして口にはこぶ。何度もくりかえしたらいつのまにかなくなっているものだと思うよ」



いつになく熱心にはなしてくれたが、ぼくはまどの外にいしきがいってしまっていた。



「で、まずはどうするつもりなの?」



「…か、金をかせぎます」



「アルバイトでもするつもりなの?」



「あ、はい」



「大変だけどがんばってね」


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