中絶~僕は君を殺したい~
3‐5 アルバイト



不安はうすれていった。



空気がぬけていく風船のように楽になっていった。




それは肉体のひろうと反比例して。



久しぶりの半日休みをベッドの上で過ごした。



その日が中絶出来る最後のいっしゅうかんだと言うのにおだやかな気分だった。



なにしろ枕元には数万円が並べられているからだ。



仕事を終えたあとに交通整理のアルバイトをはじめた。



日払いということもあり、一万円ずつ枕元に増えていく。



…なんだかこんな簡単なことだったのか、とじぶんを笑ってしまいそうになる。



…でも動けないな。



つかれた、とつぶやいた。



とても心地よいひろうがベッドを通して地面に流れおちていく。



そんな感じだった。



そのひろうと一緒に不安もながれてくれた。



今日はゆっくりねむろう、と思った。
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